精神科通院の医療費を軽減する自立支援医療（精神通院）とは？
精神科を通院するにあたって、経済的な心配をされる方もいらっしゃると思います。診察代や採血などの検査代、薬局でのお薬代など、さまざまな医療費の負担が生じます。
そこで注目されるのが「自立支援医療（精神通院）」という制度です。この制度は、精神的な疾患を持つ方々が必要な医療を受けやすくし、経済的な負担を軽減するために設けられています。
この記事では、自立支援医療（精神通院）について詳しく解説します。
自立支援医療（精神通院）の概要について
自立支援医療（精神通院）は、精神的な疾患を持つ方が、必要な通院治療や薬を受ける際の自己負担を軽減するための制度です。これにより、より多くの方が必要な治療を受けやすくなります。
自己負担額の軽減
自立支援医療を利用すると、通常の医療費に比べて自己負担額が大幅に軽減されます。お住まいの都道府県にもよりますが、具体的には、医療費の自己負担が1割に抑えられます。
また世帯所得に応じて、毎月の自己負担額に上限額も設定されます。
これらにより、経済的な負担を軽減し、継続的な治療を受けやすくなります。
自立支援医療（精神通院）の対象の疾患は？
自立支援医療（精神通院医療）の対象となるのは、継続した治療が必要な疾患です。
継続した治療が必要と医師が判断し、自治体が認めた場合に利用することができます。
具体的には、
・うつ病、躁うつ病などの気分障害
・統合失調症や妄想性障害
・神経症性障害（不安障害、パニック障害、強迫性障害）
・発達障害、知的障害
・認知症、てんかん などが対象の疾患となります。
ただし、上記の精神疾患ではない場合でも、医師が「継続的な治療が必要」と判断すれば制度の対象となることもあります。
利用を検討されている方は、ご自身が該当するかどうか主治医にご相談してください。
自立支援医療（精神通院）の対象となる医療費は？
自立支援医療の対象となるのは外来通院や投薬、精神科訪問診療、精神科訪問看護、デイケアなどです。入院したときの医療費は対象となりません。
また、カウンセリングなどの自費診療や、精神疾患と関係のない治療に関しては自立支援医療（精神通院）の対象外となります。
加えて、自立支援医療（精神通院）は、申請時に指定した指定医療機関や薬局のみの利用となります。指定した医療機関や薬局以外での利用はできません。
指定の医療機関や薬局を変更する場合は、変更の申請手続きが必要となります。
自立支援医療（精神通院）の申請手順
自立支援医療を受けるためには、以下の手順で申請を行います。
①診断書の取得
まず、主治医から自立支援医療（精神通院）用の診断書をもらいます。
※診断書の様式は各自治体の窓口にあります。
この診断書は、自立支援医療を申請するための重要な書類です。
※診断書は保険適用外になるので医療機関によって料金が異なります。
②申請書の記入
お住まいの自治体の窓口で自立支援医療（精神通院）の申請書を入手し、必要事項を記入します。
③診断書と申請書の提出
診断書と申請書を一緒にお住まいの自治体に提出します。
④自治体による審査
自治体が自立支援医療（精神通院）の申請内容を審査し、適用の可否を決定します。
⑤通知
審査が通れば、自立支援医療（精神通院）利用の決定通知が届きます。
※上記の申請方法は一例です。
申請方法は自治体によって異なるので、
お住まいの自治体に申請方法をお問い合わせください。
自立支援医療（精神通院）のメリット
①経済的負担の軽減
治療費にかかる負担が軽くなります。
②継続な支援
定期的に通院することで、心の健康を維持しやすくなります。
③必要な治療が受けやすい
経済的な理由で治療を諦めることが少なくなります。
自立支援医療（精神通院）のデメリット
①申請手続きが必要
ご自身での申請手続きが必要なため、初めての方には申請が煩雑に感じることがあります。
②初回の申請や更新の申請に診断書が必要
初回の申請時と2年に一回更新時に医師の診断書が必要になります。
そのため、診断書代が医療費とは別にご自身の負担となります。
③指定した医療機関や薬局以外は利用できない
医療機関や薬局の指定を変更する場合は、再度変更手続きが必要となります。
まとめ
自立支援医療（精神通院）は、精神的な疾患を持つ方々にとって大変有用な制度です。経済的な負担を軽減し、必要な治療を受けるための大切な手段です。
申請手続きや必要書類について不明な点があれば、ぜひ主治医や精神科スタッフ、そして自治体の窓口等に相談してみてください。
参考URL
埼玉県 自立支援医療（精神通院）申請者の方へ
