適応障害の症状とは?うつ病との違いや治療方法について

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適応障害の症状とは?うつ病との違いや治療方法について

俳優やアイドル、芸人などの著名人が「適応障害」により、一時活動を休止する…。そのような報道を見たことはありませんか?

適応障害、病気の名前は知っているけれど、実際にどんな病気かまではご存知ない方も多いのではないでしょうか?

  • 職場や学校に行けなくなった。
  • イライラする。
  • 全身に倦怠感や怠さが残り、消えない。検査をしたが身体に異常はないと言われた。
  • 頭痛や肩こり、腹痛があるが、原因がわからない。
  • 不安を感じ、涙が止まらない。無気力で何もやる気が出ない。

このような症状に悩まされている方はいませんか?

そして上記のことが起こり始めた時、何か特定のある出来事に悩まされたり、強いストレスを感じたことはないでしょうか?

適応障害は、就職や転職、結婚や離婚など環境が大きく変化した時に発症しやすいと言われています。

この記事では「適応障害とその症状、うつ病との違いや治療方法」について紹介します。

適応障害はどんな病気か

適応障害を発症すると、どのような症状が現れるのでしょうか。

適応障害の症状は、患者さんによってそれぞれ異なりますが、一般的には下記のような症状が現れる方が多いと言われています。

  • 何をしていても楽しくない。
  • イライラする。
  • 不安な気持ちが強くなる。
  • 意欲低下や抑うつ気分。
  • 感情のコントロールが上手くいかない

などといった精神的な症状。

  • よく眠れない
  • 動悸
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 食欲不振
  • 倦怠感や疲労感

などといった身体的症状。

人によっては、暴飲暴食を繰り返してしまったり、学校や会社に行けなくなってしまう、ケンカや物を壊してしまう攻撃的な行動が現れる方もいます。

次に適応障害を発症してしまう原因です。

適応障害は、主にストレスが大きく関係します。

何に・どんな場面で「ストレス」を感じるのかは、患者さんによって違ってくると思いますが、日常生活において皆さんは何らかのストレスを感じています。

例えば、仕事では人間関係やパワハラ、セクハラといった問題、仕事量の多さ、責任の重さ、転勤などによるストレス。

日常生活では、転居、結婚、離婚、出産、育児、金銭的困窮などによるストレスです。

適応障害は、ストレスがある環境から離れることができれば、回復しやすい病気だと言われています。ですが、もしもそのままずっとストレスのある環境下で過ごした場合、病気が悪化したり、うつ病などの他の精神疾患を併発してしまう可能性があるのです。

うつ病と何が違うのか

適応障害の症状は、一部分においてはうつ病と似ている点がありますが、適応障害とうつ病は異なる疾患です。症状が似ているため、「違いについてわからない」と感じる方も多いと思います。

次に適応障害とうつ病の違いについて説明をします。

・適応障害は、発症の「原因」があるのに対し、うつ病は発症の原因がはっきりとわからないことがあります。
※仕事のストレスが原因、離婚したことによるストレス等…、適応障害は発症した原因がはっきりしています。

・うつ病は、自分を責め続けてしまうことがありますが、適応障害は自分の行動に罪悪感を持つことが少ない傾向にあります。

・適応障害は原因となっている「ストレス」から離れると、症状が徐々に回復し、今まで通りの生活に比較的早く戻ることができます。しかし、うつ病は「ストレス」から離れても、すぐに回復することが難しく、抑うつ気分が続いてしまう方がほとんどです。

このように適応障害とうつ病では、違いがあります。

適応障害は、ストレスがある環境から離れることができれば、回復しやすい病気だと言われています。ですが、もしもそのままずっとストレスのある環境下で過ごした場合、病気が悪化したり、うつ病などの他の精神疾患を併発してしまう可能性があるのです。

適応障害の治療は?休職した時の保障はあるの?

適応障害の治療としては、原因となるストレスから離れることが大切です。

ストレスの原因が仕事であれば、休職や時短勤務、部署異動などを職場に相談することも方法の一つです。

自宅療養といった形で休職する方も少なくありません。

「どうしても勤務しなければならない」そんな方は主治医に相談を。

抑うつ気分や不安症状が強い方で、その症状のために生活にも支障をきたしている場合には、お薬の処方で心身を整えることができます。

医師と相談しながら、今後の治療方針をしっかり検討していくことが大切です。

職場に配慮を求めたり、休職することに罪悪感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、休むことは甘えではありませんし、ストレス社会の中、体調を崩される方も増えています。珍しいことではないんです。

休職をした時に心配なのは金銭面…。不安がある方もいると思います。

そんな時に「傷病手当金」などの制度が使えるか、会社と主治医に相談をしましょう。

・傷病手当金は、健康保険に加入している方が病気やケガなどで働けなくなった場合に支給される給付金のことです。こちらも加入条件や医師の診断書、申請書には会社に書いてもらう記入欄などがあるため、自分が加入している保険組合へ給付条件にあたるか確認をする必要があります。

「ストレス」は、誰もが抱えるもの。

適応障害は本人の甘えで発症するわけではありません。

辛い状況を周りが理解してあげることも、回復に向けての糸口です。

「気持ちの問題」「甘えているだけ」「他にも大変な人なんてたくさんいる」そんな心無い一言が、さらに病状を悪化させてしまうこともあります。

適応障害は、誰もが発症する可能性がある疾患です。

心の不調を感じたら、心療内科や精神科などの専門機関を早めに受診し、医師から適切なアドバイスを受けることが大切です。

こちらのYouTubeでの解説動画もご覧ください。

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