失業手当(雇用保険の失業給付)について知っていますか?

失業手当は、仕事を失ったときに生活を支えるための大切な制度です。もしも精神的な問題や体調不良などで仕事を続けることができなくなった場合でも、条件を満たせば失業手当を受け取ることができる可能性があります。本記事では、失業手当(雇用保険の失業給付)について、もう少し詳しく説明します。

目次

失業手当を受け取るための基本条件

失業手当は、「自分の意思で退職した場合」と「会社都合で退職した場合」で、条件が異なります。

自分の意思で退職した場合(自己都合退職)

一般的な転職のほとんどがこちらに該当します。自分の望む仕事内容や待遇等求めて、自らの意思で退職するケースです。

自己都合退職にて、失業保険を受け取るためには、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12カ月以上あることが基本的な条件となります。

※被保険者期間とは、雇用保険に加入していた期間のことです。

ただし、以下に当てはまる場合は、「特定理由離職者」となり、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6カ月以上あることになります。

①有期労働契約の更新を希望したが、認められず離職した人

②出産や育児により離職し、受給期間の延長措置を受けた人

③父・母の扶養や介護など、家庭事情の急変により離職した人

④配偶者や扶養親族と別居生活を続けることが困難になり離職した人

⑤特定の理由で、通勤が困難になり離職した人

⑥企業の人員整理などで、希望退職者の募集に応じて離職した人

会社都合で退職した場合(会社都合退職)

企業の倒産や解雇によって、再就職の準備をする時間的な余裕なく離職を余儀なくされた人は、「特定受給資格者」に該当します。また、一方的な減給や、パワハラが原因で退職した場合も、特定受給資格者に該当する可能性があります。

ご自身が特定受給資格者に該当するかどうかは、失業保険を申請する際に、ハローワークの方へ相談してみてください。

失業手当の給付金額と給付期間

失業手当の給付金額や給付期間は、いくつかの要素によって決まります。大まかな目安を説明します。

支給額

失業手当の給付金額は、前の仕事での給与に基づいて決まります。給付金額の目安としては、前職の給与の 約60% が支給されます。例えば、月収30万円だった場合、失業保険は18万円程度が給付されることになります。ただし、これはあくまで目安であり、実際には給与額や働いていた期間、年齢によって変動します。

給付期間

給付される期間は自己都合退職なのか、会社都合退職なのか、また年齢と勤続年数により変わります。

下記、給付期間について表でまとめています。

【自己都合退職の場合】

 被保険者期間
   10年未満10年以上20年未満    20年以上
   65歳未満90日    120     150日

【会社都合退職の場合】

                被保険者期間
 1年未満 1年以上
 5年未満
 5年以上
 10年未満
 10年以上
 20年未満
 20年以上
 



離職時の年齢
 30歳未満  90日  90日 120日 180日 
 30歳以上
 35歳未満
  90日 120日 180日 210日 240日
 35歳以上
 45歳未満
  90日 150日 180日 240日 270日
 45歳以上
 60歳未満
  90日 180日 240日 270日 330日
 60歳以上
 65歳未満
  90日 150日 180日 210日 240日

失業手当を受けるための手続き

失業手当を受け取るためには、以下の手順で申請を行います

ハローワークへの申し込み

失業手当を受け取るためには、まず最寄りのハローワーク(公共職業安定所)で手続きを始めます。必要な書類を持参して、失業状態であることを申告します。

【必要書類】

・「雇用保険被保険者離職票―1」と「雇用保険被保険者離職票―2」

・マイナンバーカード

・マイナンバーカードがない場合は、

個人番号がわかるものと身元確認証(運転免許証など)

その他必要な書類はハローワークで確認してください。

求職活動の報告

失業手当を受け取るためには、求職活動を行っていることが条件です。求職活動は、自分のペースで行うことができます。求職活動には、面接を受ける、求人を探す、職業訓練を受けるなどが含まれます。

定期的にハローワークで求職活動の進捗を報告し、求職活動の実績を記録してもらう必要があります。病気などで求職活動が難しい場合は、その旨をハローワークで相談し、必要に応じて支援を受けることも可能です。

支給開始の確認

支給開始の時期は、自己都合退職か会社都合退職かで異なります。

【自己都合退職の場合】

失業手当の受給資格が決定した日から7日間の待期期間に加えて、2カ月間の給付制限後から支給開始となります。

【会社都合退職の場合】

失業手当の受給資格が決定した日から7日間の待期期間の後、翌日から支給されます。

まとめ

失業手当は、仕事を失った場合の生活支援となる重要な制度です。特に、精神的な問題で仕事を辞めた場合でも、適切な手続きを踏めば失業手当を受け取ることができます。手続きや条件については、ハローワークでの確認と相談が大切です。また、求職活動についても、無理のないペースで進められるよう、サポートを提供していきましょう。

もし不安や疑問があれば、ハローワークの職員や主治医などに相談することをお勧めします。

参照

https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.html

https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/caripedia/52

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