大人の発達障害の検査費用は? 保険適用外でも受けるべき?

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発達障害の検査を受ける前に~知っておきたい基本情報~

大人になってから「自分は発達障害かもしれない」と気づく方、実は少なくありません。子どもの頃はなんとか乗り越えられていたことが、社会人になってから目立ち始め「もしかして…」と感じるケースも多いのです。

とはいえ、いざ検査を受けるとなると「どこに相談すればいいの?」「検査って何をするの?」と、わからないことだらけで不安になりますよね。

この記事では、そんな不安を抱える方に向けて、検査の受け方や流れ、費用など、事前に知っておきたい基本的な情報をわかりやすくお伝えしていきます。検査を検討している方が、少しでも安心して一歩を踏み出せるようサポートできれば嬉しいです。

発達障害の検査はどこで受けられる?

発達障害の検査は、主に以下の場所で受けられます。

・精神科・心療内科
・発達障害専門外来
・大学病院や総合病院の精神科

精神科や心療内科では、基本的に医師の診察を経て検査の案内をされることが多いです。クリニックによっては検査のみを受けれらる場合もあります。

どこに行くか迷った場合は、まず近隣のクリニックに相談してみるのも一つの方法です。

検査の流れや必要な準備について理解しよう

検査当日までに知っておくべきことをまとめました。以下は検査の簡単な流れです。

  • 初診での問診と相談
  • 必要な心理検査や知能検査(例:WAIS)
  • 診断結果の説明と今後の方針決定

初診では、普段の困りごとや気になる症状を医師に伝えることが大切です。検査は数時間かかることもあるため、体力を考慮してスケジュールを組むと安心です。持ち物は、健康保険証、紹介状(あれば)、過去の診療情報などを用意しておきましょう。

発達障害の検査から診断までの流れ

当院では、大人の発達障害検査は、次のような流れで進みます。

  • 【初診(必要時のみ)】予診・問診と現在の困りごとを相談
     
  • 【事前検査】心理検査のための事前検査を行います。所要時間30分程度
  • 【検査(別日のケースも)】WAIS検査の実施。所要時間2~3時間
  • 【フィードバック】心理士より検査結果の説明。検査日から2~3週間前後、所要時間30-45分

    その後、正式な診断が必要な場合は医師の診察を受けていただきます。

検査結果を元に医師が診断をし、診断が確定すれば、必要に応じて投薬の有無や治療方針の提案があります。安心してステップを踏んでいきましょう。

検査費用の目安

発達障害の検査は、費用も気になるポイントですよね。ここでは、お金の話をわかりやすく整理していきます。

保険適用になる検査とならない検査の違い

当院での心理検査は原則自費となります。

一般的に、医療機関で行われる様々な検査では、医師が診察上必要と判断した場合は保険適用対象になるものもあります。保険適用には「医療上の必要性」が求められます。単なる興味や自己診断目的の場合は、原則として保険適用外となります。

自費診療の場合の費用相場をチェック!

自費の場合、検査費用はどのくらいかかるのでしょう?

・WAIS検査単体:約2〜5万円程度
 当院では24000円(内訳・予約料2万円、フィードバック料金4000円)

クリニックによって料金に差が出ることもありますが、目安としては上記の範囲です。

費用が高く感じるかもしれませんが、心理士から結果を踏まえたアドバイスを受けたり、正式な診断を得ることで、生きづらさが改善される可能性もあります。

WAIS検査って何?簡単に説明します

WAIS検査(ウェクスラー式知能検査)は、知能をいくつかの力に分けて詳しく調べるテストです。

WAIS検査で自分の特性を客観的に把握しよう

WAIS検査とは、知能をさまざまな側面から測るテストで、主に以下の項目について詳しく調べます。

言語理解力
知覚推理力
作動記憶(ワーキングメモリー)
処理速度

WAIS検査は単なるIQテストではなく、自分が得意な領域・苦手な領域を細かく把握できるのが特徴です。自身の強みと課題を知ることができるので、より自分らしい働き方や生活スタイルを考えるきっかけになります。

「どうしてこの作業が苦手なんだろう」「なぜこれができないの?」と悩んでいたことの根拠が見つかることもあり、納得感を得られることが多いでしょう。

WAIS検査で分かることとその活用方法

検査結果は様々な領域で活かせます。

WAIS検査では、自分の得意なこと・苦手なこと客観的に数値で示されます。数値化された結果を活かして、日常生活や仕事の工夫につなげることが可能です。

たとえば処理速度が低めなら、作業を焦らずこなせる環境を整えたり、作動記憶が弱い場合はメモやアラームを活用するなど、自分に合った方法を選べるようになります。

また、反対に、得意な分野を知ることで自信につながることも。無理に苦手を克服しようとせず、自分らしく暮らすためのヒントにしていきましょう。

心理検査を受ける際の注意点とクリニック選びのコツ

最後に、安心して検査を受けるために押さえておきたいポイントをご紹介します。

予約の取り方について

心理検査の予約は、特に人気のクリニックでは混雑しがちです。予約が1ヶ月以上先になることも珍しくありません。検査を受けたいと考えたら、できるだけ早めに問い合わせをすることをおすすめします。

また、予約の際には「心理検査希望」とはっきり伝えるとスムーズです。初診と検査日が別になることも多いため、スケジュールに余裕を持っておくと安心ですね。

自分に合ったクリニックを選ぶためのポイント

クリニック選びでは以下の点をチェックしよう

・発達障害の診断経験が豊富かどうか
・検査後のフォロー体制が整っているかどうか
・通いやすい場所にあるか

診断だけを行って終わり、というスタイルではなく、その後の生活や仕事にどう活かしていくかまで一緒に考えてくれるクリニックを選ぶことが大切です。ホームページを参考にしつつ、「ここなら安心して相談できそう」と感じられる場所を見つけましょう。

当院では、WAIS検査後の結果説明にじっくり時間をかけ、希望があれば今後の方向性についても丁寧にサポートしています。

まとめ

ここまで読んで、「私も一度ちゃんと検査を受けてみようかな」と感じた方も多いのではないでしょうか?

大人になってから発達障害に気づくことは、決して特別なことではありません。これまで感じてきた生きづらさや違和感に「理由」が見つかることで、心が軽くなることもあります。

発達障害の検査は、単に診断をつけるためだけではなく、今後の働き方や生活の工夫を考えるための大切な手がかりになります。自己理解が深まることで、無理に自分を変えようとするのではなく、「ありのままの自分」を受け入れながら、より生きやすい道を探していくことができるでしょう。

当院では、WAIS検査後の結果説明にじっくり時間をかけ、希望があれば今後の方向性についても丁寧にサポートしています。気になる方は、お気軽にご相談ください。

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