マイナ保険証ってどんなもの?
マイナ保険証は、従来の健康保険証と同じ役割を果たしながら、マイナンバーカードの機能を活用することで、より便利で効率的な医療サービスを提供するものです。これにより、医療機関での手続きがスムーズになり、診療記録や、服薬記録などの情報の管理も一元化されることが期待されています。
ただ、マイナ保険証に対して、「どうして紙の保険証があるのに、マイナンバーカードに保険証を紐づける必要があるの?」や、「個人情報の流出がありそうで怖い」など、悪いイメージがあるかもしれません。
そこで、本記事では、マイナ保険証とはどんなものか、メリットやデメリットはあるのか、そして注意することはどんなことかなどを詳しく解説していきます。
マイナ保険証とは?
マイナ保険証は、健康保険証としての機能を持つ「マイナンバーカード」のことです。従来の健康保険証を持たずに、マイナンバーカード1枚で医療機関の受付や診察が受けられるようになります。これにより、より良い医療の提供を受けることができます。
マイナ保険証の特徴
デジタル化による効率化
これまで、病院で保険証を提示するためにカードを取り出したり、受付での手続きを行ったりしていましたが、マイナ保険証を使うことで、この手間が省けます。カードをかざすだけで、医療機関が患者さんの保険情報を確認できるため、受付がスムーズになります。
利便性の向上
例えば、マイナンバーカードを持っていると、保険証を紛失したり忘れたりする心配がなくなります。どこにでも持ち歩けるので、急に病院に行く場合でも、すぐにマイナンバーカードを使って手続きができるようになります。
オンライン診療の活用
医療機関によっては、オンライン診療を受けるときにも、マイナ保険証を利用することで、診察を受ける前に保険証情報を入力したり、医療機関に送ったりする手間が省けます。自宅での診察も便利になります。
マイナ保険証の使い方
医療機関や薬局でのマイナ保険証の使い方を説明していきます。
事前に必要な手続き
まず、各自治体にてマイナンバーカードの申請を行い、マイナンバーカードを発行してもらいます。発行後、WEBサイト(マイナポータル)を利用して、マイナンバーカードに健康保険証情報を登録します。これにより、マイナンバーカードがマイナ保険証として使えるようになります。
受付時にマイナンバーカードを提示する
医療機関や薬局の受付に設置されたカードリーダーにマイナンバーカードを読み込ませます。カードリーダーにて、本人確認と同意取得をすれば受付完了です。
マイナ保険証のメリット
マイナ保険証には様々なメリットがあります。それぞれのメリットを見ていきましょう。
利便性
マイナンバーカード1枚で保険証としても使用でき、身分証としても使用できるので、
複数の身分証を持ち歩く必要がなくなります。
また、受付時にマイナンバーカードをカードリーダーにかざすだけで自動的に保険証の情報が読み取られるため、受付にかかる時間が短縮され、スムーズに診察を受けることができます。
情報の一元化
マイナ保険証を利用することで、診療履歴や処方歴が一元化され、必要なときに医師が過去の診療データを簡単に参照できるようになります。これにより、患者さんは無駄な検査を避けたり、複数の医療機関で処方される薬の重複を避けたりなど、過去の治療内容に基づいた適切な治療が受けやすくなります。
事前の手続きがいらずに高額な窓口負担が不要になる
患者一人ひとりの医療費には、「限度額」があります。医療費がその限度額を超えた場合に、患者さんの負担を軽減するために支給される制度が高額療養費制度です。
高額療養費制度は、入院や外来の窓口負担で、限度額を超えてお支払いをした場合、後日、限度額を超えた分が戻ってくる制度です。
ただ、事前に限度額適用認定証の事前手続きをし、手続き後に届く「限度額認定証」を医療機関の窓口に提示することで、限度額を超えた分の窓口負担が免除となります。
そのため、限度額認定証を提示するためには、事前の手続きが必要となります。
しかし、マイナ保険証を利用することで、自動的にマイナンバーカードに限度額認定証の情報が紐づけられるため、事前の手続きがいらずに、限度額を超えた医療費の窓口負担が免除となります。
オンライン診療への対応
オンライン診療を行っている医療機関では、マイナ保険証を使うことで、自宅にいながら簡単に受診することができます。
医療費の確認がしやすい
WEBサイト(マイナポータル)を用いて、医療費の自己負担額や保険適用の状況などを簡単に確認することができます。
マイナ保険証のデメリット
では、マイナ保険証にはどんなデメリットがあるでしょうか?
医療機関によっては利用できない可能性がある
マイナ保険証を利用するには、医療機関側も、機械の設置・設定などをする必要があるため、すべての医療機関で対応しているわけではありません。
したがって、事前に受診したい医療機関がマイナ保険証に対応しているか確認しておくことが大切になります。
セキュリティのリスク
マイナンバーカードには個人情報が多く含まれているため、もしカードを紛失したり盗まれたりすると、悪用されるリスクがあります。
しかし、そのリスクを避けるために暗証番号の設定や顔認識での本人確認の強化、厳格な管理体制、マイナンバーカードの情報にかかわる暗号化や、政府による不正利用の監視など、情報漏洩をさせないためにさまざまな対策が行われています。
マイナ保険証を利用する上での注意点
マイナ保険証を利用するにあたっていくつかの注意点があります。
受診する医療機関の確認
前述したとおり、医療機関によってはマイナ保険証に対応できていない場合もあります。マイナ保険証を利用する場合は、受診する医療機関がマイナ保険証に対応しているか、事前の確認が必要です。
利用時の注意
マイナ保険証を利用するに時に、暗証番号入力か顔認証でマイナ保険証の利用ができます。そのため、暗証番号は、必ず他人に知られないようにしましょう。もちろん、受付職員や看護師、医師などの医療従事者にも暗証番号は教えてはいけません。
医療機関のトラブルに備える
マイナ保険証は、医療機関にて機械で読み取るため、システムエラーなどにより、使用できない場面もあるかもしれません。そうしたトラブルに備えて、従来の保険証も念のため一緒に持参することもお勧めします。
また、保険証がない場合は、各健康保険組合などが発行する「資格確認書」や、アプリのマイナポータルを開き、「被保険者資格情報」を提示することで、保険証として使用できます。
まとめ
マイナ保険証は、マイナンバーカードを使って、保険証として医療機関で簡単に手続きを行える便利なシステムです。カード一枚で保険情報や過去の診療履歴などを確認できるため、手続きが速く、質の良い医療を受けることができます。
マイナ保険証を利用するためには、まずマイナンバーカードを取得し、「健康保険証利用登録」を行う必要があります。これを済ませれば、医療機関でカードを提示するだけで保険証として使用できます。
マイナ保険証は今後さらに普及し、医療機関での手続きがますます便利になると思います。ただ、デジタル化に伴う注意点もあるため、マイナ保険証についてしっかりと理解した上で利用していきましょう。
参照
厚生労働省 マイナンバーカードの健康保険証利用について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html
マイナポータル
https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou_top.html
全国健康保険協会 協会けんぽ これから医療を受けるならマイナンバーカード