強迫性障害
強迫性障害とは
強迫性障害とは、強迫観念と強迫行為という「強迫症状」を主体としています。
症状が進むと職場、学校、家庭での生活に支障をきたしてきます。
支障の程度は、自分が今行ったことを確認する程度のことから、不潔恐怖が著しく外出ができないといったものまでさまざまです。
他人からみるとばかげたことでも患者さん自身は真剣に悩んでいます。
強迫性障害の原因
原因はわかっていませんが、脳内のセロトニンというホルモンが関係しているといわれています。
そのほか様々なストレスが原因となることもあります。
強迫性障害の症状
強迫性障害には大きく分けて2つの症状があります。
自分の意思に反して何度も思い浮かんでしまう「強迫観念」と、そこから生まれる不安や苦痛を減らそうとしてやめられなくなってしまう「強迫行為」です。
強迫観念は、不安、恐怖などのいやな感情や精神的な苦痛の原因となります。
何度も繰り返し思い浮かぶため、無視したり、抑え込んだりすることが難しく、強迫行為をしたい衝動に駆られます。
強迫行為は、現実的に必要な方法と比べ、繰り返しややりすぎが多く、また、常識や科学的な事実にそぐわない、不合理な方法によって行われます。
「回避」という、強迫症状が出そうなものを避けるための行動も含まれます。
頭の中で、大丈夫か確認したり、言葉を唱えたり、回数を数えたりすることも含まれます。
また、自分の決めた独自のルールに従って行う行為を「儀式」と呼ぶことがあります。
強迫性障害の診断
強迫性障害の診断は診断基準に照らし合わせて行われます。
強迫性障害の患者さんは、症状のために病院へ行くこと自体が大変な人もいます。
外出の前後に、洗浄や確認などの強迫行為のため外出が困難であったりするためです。
諦めず病院に相談して受診をしてください。
強迫性障害の治療
薬物療法と認知行動療法が主体となります。
薬物療法ではSSRIという抗うつ薬が用いられ、効果が出始めると強迫行為をしたい衝動が和らぎます。
認知行動療法には、いろいろな技法があります。
心理教育を行い、病気の仕組みや認知行動療法について学びます。
暴露反応妨害法と呼ばれる技法を中心に、症状の改善を目指します。