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双極性障害(躁うつ病)

双極性障害とは

躁状態とうつ状態が出現する病気です。
これらが治れば、何も症状はなくなります。
躁状態だけの人も、いずれうつ状態が生じてくることが多いので、双極性障害と考えます。
双極性障害は100人に1人くらいしかかからない病気で、だれもがなりうる「うつ病」とはかなり異なります。
いったん良くなっても、放っておくとほとんど人が数年以内に再発するので、ほぼ生涯にわたって予防療法が必要になります。

双極性障害の原因

双極性障害の原因は、脳内の神経伝達物質を介した神経伝達の異常によって引き起こされていると考えられています。
また、双極性障害に処方されることの多い気分安定薬が神経細胞を守る働きを持っていることから、双極性障害では、神経細胞が細胞レベルでのストレスに対して、何らかの脆弱性を持っていると推測されています。

双極性障害で認められる症状

躁状態で認められる症状

  • 気分は爽快で楽しくて仕方がない(爽快気分)
  • 夜はほとんど寝なくても平気(睡眠欲求の減少)
  • 疲れを知らず活発に活動する(活動性亢進)
  • 多弁で早口になり、ほとんど口をはさめない(会話心拍)
  • 豊かな連想、素晴らしいアイデアがあふれるようにわいてくる(観念奔逸)
  • 自分は周りから尊敬されている素晴らしい人間だと確信する(誇大性)
  • いろいろな考えが浮かぶため、すぐに気が散り集中できない(集中困難)

うつ状態で認められる症状

  • 一日中いやに気分が続き、気が晴れません(憂うつ気分)。
  • 食欲がなく、何を食べてもおいしいと感じられません(食欲低下)。
  • 夜も眠れません(不眠)。
  • 頭も働かず、本やマンガを読もうとしても頭に入りません(思考制止)。
  • 気が散って、うまく考えがまとまりません(思考力・集中力の低下)。
  • 仕事だけでなく、好きだった趣味さえも、やろうという意欲がわきません(意欲低下)。

双極性障害の診断

双極性障害のうつ状態と、うつ病とは、症状の上では全く区別がつかず、それまでに躁状態があったかという病歴が診断の決め手になります。
また、躁状態と統合失調症を区別することも大変困難です。
躁状態では幻聴や妄想が生じることがあるため、丁寧に症状の差異を見極めて診断することが重要となります。

双極性障害の治療

躁状態の患者さんは、本人はこれまでにないくらい気分良く生活している一方、周りの人を困らせていることが多く、治療に結びつけにくいのが問題です。
何とか本人の苦痛となっていることを引き出して受診に結びつけたり、本人が信頼している人から指示してもらったりして受診につなげます。
躁状態の患者さんが治療を受けないままでいると、社会的な信用や家族との信頼関係を失ってしまうために早期の治療が必要です。

双極性障害は脳内の神経伝達物質の異常によって起こるため、カウンセリングなどの精神療法のみでは改善せず、主な治療は薬物療法になります。
躁状態は、十分な薬物療法を行えば、ほぼ確実に改善しますが、双極性障害の治療で最も重要なのは再発予防です。
そのため、長期間の薬物療法の継続が必要となります。

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