パニック障害(不安障害)
パニック障害とは
パニック障害は、特に身体の病気がないのに、突然、動悸、呼吸困難、めまいなどの発作(パニック発作)を繰り返し、そのため発作への不安が増して、外出などが制限される病気です。
長引くと仕事が出来なくなり、うつ病になるともあるので、専門医による診断と早期治療が大切です。
パニック障害の原因
現在、原因は明らかとなっていませんが、本来生命を維持するために重要な「脳内のアラーム機構」が障害されているといわれています。
脳の内部には無数の神経が張り巡らされていて、様々な情報が伝達されていますが、その情報がうまく伝わらなかったり、間違って伝わったりすることから、予期しない心身の反応、つまり発作や不安、恐怖に襲われると考えられています。
パニック障害の代表的な3つの症状
パニック発作
パニック障害は、パニック発作によって発症します。
パニック発作は、急に不安や恐怖とともに、身体の不快感を強く感じる発作です。
発作はこのまま死んでしまいそうだ、自分が自分でコントロールできなくなりそうだと思わせるほど激しいものです。
- 心臓がドキドキ、バクバクする
- 全身や手足が震える
- 呼吸が苦しくなる、息が詰まる
- 胸の不快感や痛みが出る
- 吐き気、おなかの痛みが出る
- 顔や体がほてる、または寒気がする
- 汗が噴き出す、またはじっとりと汗ばむ
- めまい、ふらつき、頭が軽くなり気が遠くなる
- 体が宙に浮いた感じ、自分が自分でないような感じ
- 自分がコントロールできない怖さがある
- 死ぬのではないかという恐怖がある
予期不安
死を意識するような強い恐怖感を伴うパニック発作が原因で、「また発作が起きるのではないか」と過度の不安になることを予期不安といいます。
患者さんは「何か重大な病気ではないか」と思い、内科を受診しますが、パニック障害は身体の病気ではないので異常はありません。
患者さんは原因が分からず、ますます不安が高まります。
広場恐怖
パニック障害では、パニック発作が起きた場所や起きると助けが得られないような状況、例えば渋滞中の車、電車やバスなどを避けるようになります。
そうなると一人で外出することが困難となり、学校や会社にも行けなくなります。
このような状態を広場恐怖と呼びます。
パニック障害の診断
パニック障害は、発作が予期していないときに起き、発作が繰り返し起こることで診断されます。
症状が進行すると、状況的なパニックがもともとの突然の発作に加わることで、広場恐怖につながっていきます。
パニック障害の治療
薬物療法
パニック障害の治療には主として、不安を抑える薬(抗不安薬)と、うつ状態を抑える薬(抗うつ薬)が使われます。
この他症状に合わせて、睡眠薬や便秘薬なども処方されます。
抗うつ薬とは、脳内の神経伝達物質の働きを高めることで、うつ状態を改善します。
抗うつ薬には、パニック障害にも効果があることが分かっています。